Amazon Connect の機能で、以前はハイボリュームアウトバウンド通信 (HVOC) と呼ばれていたアウトバウンドキャンペーンに関する一般的な問題をトラブルシューティングしたいと考えています。
解決方法
アウトバウンドキャンペーンに関する問題をトラブルシューティングする前に、Amazon Connect アウトバウンドキャンペーンがアクティブ化されていることを確認してください。また、アウトバウンドキャンペーンが作成されていることも確認してください。次に、以下を確認して、アウトバウンドキャンペーンに関する一般的な問題をトラブルシューティングします。
サポートされている国と AWS リージョン
アウトバウンドキャンペーンコールを発信できるのは、サポートされている国とリージョン内の発信先電話番号のみです。また、キャンペーンに使用している発信元電話番号は、アウトバウンドキャンペーンの発信先電話番号が存在する国に存在する必要があります。
現在、アウトバウンドキャンペーンは以下の国でサポートされています。
- オーストラリア
- カナダ
- ニュージーランド
- 英国
- 米国
注意: オーストラリアとニュージーランドのアウトバウンドキャンペーンでは、専用の電話番号が必要です。また、専用の電話番号とキャンペーンをリクエストするために、AWS サポートケースを作成する必要もあります。
アウトバウンドキャンペーンコールは、以下の AWS リージョンと、そのリージョンに対応する国の間でサポートされています。
- オーストラリアおよびニュージーランドの場合はアジアパシフィック (シドニー)
- カナダの場合はカナダ (中部)
- 英国の場合は欧州 (ロンドン)
- 米国の場合は米国東部 (バージニア北部) および米国西部 (オレゴン)
例えば、欧州 (ロンドン) リージョン内の Amazon Connect インスタンスがキャンペーンコールを発信できるのは、英国のみとなります。
詳細については、Amazon Connect アウトバウンドキャンペーンページの「よくある質問」セクションを参照してください。
アウトバウンドコンタクト
アウトバウンドコンタクトをトラブルシューティングするには、コールがインスタンス経由で発信され、発信先に正常に到達したことを確認します。
まず、Amazon Connect について、CloudTrail コンソールで AWS CloudTrail イベントを表示します。次に、StartOutboundVoiceContact API の eventName に関するイベント履歴を確認します。StartOutboundVoiceContact が表示されている場合は、リクエストが Amazon Connect に正常に到達していることになります。StartOutboundVoiceContact が表示されていない場合は、Amazon Pinpoint などのイニシエーターに問題があることを意味します。Amazon Pinpoint をさらにトラブルシューティングするには、「Review and test a journey」(ジャーニーの確認とテスト) を参照してください。
注意: 進行中のコールについては、コンタクト検索にコンタクト ID が表示されません。describe-contact コマンドを実行して、特定のコンタクト ID のコールが正常に行われたかどうかを確認できます。コールが進行中の場合、出力として disconnectTimeStamp が返されません。
アウトバウンドコールの失敗
アウトバウンドコールが失敗する場合は、コンタクトを検索してもコンタクト ID が表示されません。コールの失敗を検証するには、describe-contact コマンドを実行して、特定のコンタクト ID のコールが正常に行われたかどうかを確認します。InitiationTimestamp と DisconnectTimestamp の間隔がミリ秒内である場合、コールは正常に行われていません。
注意: AWS コマンドラインインターフェイス (AWS CLI) コマンド実行時にエラーが発生する場合は、最新バージョンの AWS CLI を使用していることを確認してください。
アウトバウンドコールは、キャンペーンの上限に到達していることが原因で失敗する可能性があります。キャンペーンの上限に到達しているかどうかを確認するには、以下の手順を実行します。
- Amazon CloudWatch コンソールを開きます。
- ナビゲーションペインで [Metrics] (メトリクス) を選択してから、[All Metrics] (すべてのメトリクス) を選択します。
- [Amazon Connect] を選択してから、[Instance metrics] (インスタンスメトリクス) を選択します。
- CallsBreachingConcurrencyQuota メトリクスと ThrottledCalls メトリクスを確認します。メトリクスの説明については、「CloudWatch に送信された Amazon Connect メトリクス」を参照してください。
CallsBreachingConcurrencyQuota または ThrottledCalls メトリクスにカウントが含まれている場合は、サービスクォータの上限に到達している可能性があります。上限を引き上げるには、クォータの引き上げをリクエストできます。
キャンペーンと同時コールの上限は、以下の方法で適用されます。
- コールがキャンペーンの上限に到達すると、コールがブロックされます。
- コールがインスタンスあたりの同時コール数の上限に到達すると、コールがブロックされます。
これらの上限を理解するため、以下のシナリオを検討してください。
これらの例では、Amazon Connect インスタンスに以下の上限があります。
- 同時コールの上限 10 件。
- キャンペーンコールの上限 5 件。
シナリオ 1
Amazon Connect インスタンス内で 7 件のインバウンドコールが進行中です。開始中のアウトバウンドキャンペーンコールが 4 件あります。このシナリオでは、4 番目のコールが失敗します。この失敗は、同時コールの上限である 10 件に到達したことが原因です。
シナリオ 2
Amazon Connect インスタンス内で 4 件のインバウンドコールが進行中です。開始中のアウトバウンドキャンペーンコールが 6 件あります。このシナリオでは、6 番目のコールが失敗します。これらのコールは同時コールの上限内ですが、キャンペーンコールの上限である 5 件に到達していることから、コールが失敗します。