Route 53 の DNS 伝達において、遅延や不一致が発生する場合の解決方法を教えてください。

解決策

ホストゾーンのレコードセットを更新すると、その変更は 60 秒以内にすべての Route 53 エッジロケーションに反映されます。場所により、新しい DNS レコード値が表示される場合と古い値が表示される場合があります。複数の場所において DNS レコードの古い値が表示される場合、伝達は完了していません。変更の反映には、パブリック DNS リゾルバーのキャッシュがクリアされるまで待つ必要があります。

注: 次のコマンドでは、DOMAIN NAME または example.com をドメイン名に、NAME_SERVER をネームサーバーに置き換えてください。

DNS 伝達を確認します。

次のコマンドを実行し、クライアントが正しい応答を受信できたかどうかを確認します。

dig DOMAIN NAME @NAME_SERVER>

複数のインターネットサービスプロバイダー (ISP) および AWS リージョンにわたり、DNS レコードの伝達状況を監視することをおすすめします。詳細については、whatsmydns.net のウェブサイトで DNS Propagation Checker を参照してください。

TTL 値を確認し、変更する

次の dig コマンドを実行し、ネームサーバーレコードの保持期間 (TTL) 値が高くなっていないかを確認します。

[ec2-user@ip-172-31-93-169 ~]$ dig example.com @a.iana-servers.net

; <<>> DiG 9.18.33 <<>> example.com @a.iana-servers.net
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 16169
;; flags: qr aa rd; QUERY: 1, ANSWER: 6, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1
;; WARNING: recursion requested but not available

;; OPT PSEUDOSECTION:
; EDNS: version: 0, flags:; udp: 4096
;; QUESTION SECTION:
;example.com. IN A

;; ANSWER SECTION:
example.com. 300 IN A 23.192.228.80
example.com. 300 IN A 23.192.228.84
example.com. 300 IN A 23.215.0.136
example.com. 300 IN A 23.215.0.138
example.com. 300 IN A 96.7.128.175
example.com. 300 IN A 96.7.128.198

;; Query time: 0 msec
;; SERVER: 2001:500:8f::53#53(a.iana-servers.net) (UDP)
;; WHEN: Wed Jun 18 19:04:03 UTC 2025
;; MSG SIZE rcvd: 136

コマンド出力の ANSWER SECTION において、ドメインの横に表示される数字がレコードの TTL (秒単位) です。たとえば、example.com では A レコードの TTL は 300 秒です。

数値が大きい場合は、TTL 値を減らします。

注: TTL 値が小さいほど、リゾルバーによるレコードの更新頻度が上がるため、伝達のダウンタイムは短縮されます。ただし、TTL 値を減らした場合、Route 53 ネームサーバーの負荷が増加します。詳細については、「Amazon Route 53 がドメインのトラフィックをルーティングするメカニズム」を参照してください。

ドメインが正しいホストゾーンのネームサーバーを使用していることを確認する

ドメインが別のホストゾーンのネームサーバーを使用している場合、Route 53 が DNS クエリに行う応答には、DNS の変更は反映されません。ドメインが正しいホストゾーンのネームサーバーを使用しているかどうかを確認してください。

ネームサーバーのリストを取得するには、次の whois コマンドを実行します。

whois DOMAIN NAME | grep "NAME SERVER"

取得したネームサーバーを Route 53 ホストゾーンのネームサーバーと比較します。ネームサーバーが一致しない場合は、ドメインレジストラアカウントのネームサーバーを更新してください。

IPv4 レコードと IPv6 レコードを構成し、トラフィックを正しくルーティングする

重要: リソースが IPv4 と IPv6 をサポートする場合は、Route 53 ホストゾーンに A レコードと AAAA レコードの両方が必要です。一方のレコードタイプのみを作成した場合、IPv4 または IPv6 ネットワークのみを使用するクライアントは接続できません。

次の手順を実行します。

1. Route 53 コンソールを開きます。
2. [ホストゾーン] を選択し、目的のホストゾーンを選択します。
3. [レコードの作成] を選択します。
4. [ルーティングポリシー] ドロップダウンリストで [シンプルルーティング] を選択します。
5. [値] テキストボックスには、リソースの A レコードの IPv4 アドレスまたは AAAA レコードの IPv6 アドレスを入力します。
6. [レコードを作成] を選択します。

注: Route 53 レコード名にアットマーク (@) を使用した場合、DNS 伝達に問題が発生します。ルートドメインのレコードを作成する際、[レコード名] フィールドには値を追加しないでください。

関連情報

DNS 設定を変更しましたが、反映されません

Amazon Route 53 がパブリックホストゾーンに作成するネームサーバー (NS) レコードおよび start-of-authority (SOA) レコード